紙幣探知犬が成田空港でデビュー

 海外への不正な現金の持ち出しを防ぐため、東京税関はこのほど、全国で初めて紙幣の臭いを嗅ぎ分ける「紙幣探知犬」2頭を成田空港に配置しました。出国審査場で警戒任務に当たり、特殊詐欺などで不正に得られ犯罪収益が海外に持ち出されるのを自慢の〝鼻〟で食い止めます。

 デビューしたのはいずれもメスの6歳でラブラドールレトリバーの「ライラックス号」と「トリ号」。2頭はこれまで、不正薬物を検知する麻薬探知犬として4年間活躍してきた実績があります。約1カ月間、紙幣の臭いを嗅ぎ分ける訓練を積んできたそうです。嗅覚を頼りに旅行者のカバンや、国際郵便物などに入っている紙幣を見つけ出すとのこと。税関では今後も、全国の国際空港で活躍する麻薬探知犬に特殊な訓練を受けさせるなどして、紙幣探知犬の数を増やすことを検討しているとしています。

 国際空港では100万円を超える現金を持って出入国する場合、税関への届け出が法律で義務付けられています。成田空港では現金の不正な持ち出しを食い止めるため、保安検査などで水際対策に当たっていますが、それでも無申告で現金を持ち出す不正行為が後を絶ちません。このため、「汚れたカネ」を臭いで発見する2頭の活躍が大いに期待されるところです。

<情報提供:エヌピー通信社>