(前編)国税庁:2022事務年度における富裕層の所得税調査状況を公表

 国税庁は、2022事務年度(2022年7月から2023年6月までの1年間)における富裕層(有価証券・不動産等の大口所有者、経常的な所得が特に高額な者)の所得税調査状況を公表しました。
 それによりますと、2022事務年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による制限が緩和されて調査件数が大幅に増加した上、高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を優先して調査した結果、追徴税額の総額は、過去最高額の1,368億円にのぼりました。

 国税当局では、同事務年度においても富裕層への調査を積極的に行っており、申告漏れ所得金額が最高額を更新したことが明らかになりました。
 2022事務年度には、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に調査を実施しており、前事務年度比32.3%増の2,943件の富裕層に対する実地調査を行い、同16.8%増の申告漏れ所得金額980億円が把握され、申告漏れ所得の総額は富裕層対象の統計を始めた2009年度以降で最高となりました。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、令和6年1月5日現在の情報に基づいて記載しております。
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