(前編)2024年度税制改正:ストック・オプション税制を拡充

 2024年度税制改正において、ストック・オプション税制が拡充されます。
 ストック・オプションとは、会社が自社または子会社の従業員、役員等に対して付与する自社株式を一定の期間内にあらかじめ定められた権利行使価格で購入することができる権利をいいます。

 資金が限られるスタートアップにとって、ストック・オプションは、優秀な人材を集める有効な手段として期待されております。
 同改正により、新株予約権の行使に係る権利行使価額の限度額について、設立の日以後の期間が5年未満の株式会社が付与する新株予約権については、その限度額を年2,400万円(現行は年1,200万円)に引き上げ、一定の株式会社が付与する新株予約権については、その限度額を年3,600万円(現行は年1,200万円)に引き上げられます。
 上記の「一定の株式会社」とは、設立後5年以上20年未満の株式会社で、上場等後の期間が5年未満であるものをいいます。

 また、中小企業等経営強化法施行規則の改正を前提に、適用対象となる特定従事者に係る要件の見直しも行います。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、令和6年8月5日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。