エージェント型による新たなAI時代の幕開け その2

 AIの活用は個人の生活や企業の業務に変化をもたらしつつあります。その中、最近注目されているのがエージェント型のAI(AIエージェント)です。従来のAIは、ユーザーの依頼に対して回答を提示することで役割を終えていました。一方、AIエージェントは自律的に判断し、複数の工程が必要な業務を自ら計画・実行する点に特徴があります。

 例えば、従来であれば「出張のホテルを探してください」と依頼すると、候補となる宿泊施設を提示するところまでがAIの役割でした。AIエージェントの場合、「出張の手配をしてください」と目標を与えることで、日程や予算を確認し、宿泊先の選定、スケジュール登録、関係部署への連絡など、一連の作業をまとめて支援することが想定されています。
 実際に、顧客対応、損害保険の査定、人材採用、経理業務、自動運転などの分野で、AIエージェントの実用化が進められています。

 ただし、完成度には課題も指摘されています。あるアメリカのAI企業では、無人店舗を想定し、商品の発注や価格設定、在庫管理といった業務をAIエージェントに任せる実験を行いました。AIは品薄商品の補充など基本的な対応はこなしましたが、状況に応じた価格調整や利益を意識した判断は十分に行えませんでした。結果として、約1カ月の実験期間で店舗は赤字となりました。
 こうした課題は、AIの設計や学習方法を改良することで改善できる可能性があります。将来的には、人間が戦略や方針を決め、実務の多くをAIエージェントが担うといった役割分担が進むかもしれません。

 AIエージェントは実用化が始まったばかりです。ただ、今後、仕事の在り方、人間とAIの役割分担といった点で、AIエージェントは世の中に大きな変化をもたらす可能性があります。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)