◆コロナワクチン無料接種は令和6年3月31日で終了
新型コロナウイルスのワクチン接種については、現在接種の費用を全額公費で負担する「特例臨時接種」を行っていますが、令和6年3月31日で終了します。令和6年4月1日以降、65歳以上の方及び60歳から64歳で対象となる方には、新型コロナの重症化予防を目的として秋冬に自治体による定期接種が行われ、費用は原則有料となります。
令和6年4月1日以降に定期接種以外で接種を希望される方には、任意接種として、自費で接種を受けることになります。
さて、この予防接種ですが、会社から費用が出ている方もいらっしゃるのではないでしょうか。予防接種の費用は、条件を満たせば経費となります。
◆法人の経費になる条件
予防接種は基本的に個人が費用を負担するものですが、会社が負担して経費に計上できる場合があります。
①予防接種が業務上必要であること
②すべての従業員を対象としていること
③金額が社会通念上常識の範囲であること
以上を満たしていれば福利厚生費として認められます。
例えば海外赴任するために予防接種を受ける際、対象となるのは海外赴任する従業員です。国内で働く従業員が個人的な海外旅行に行くために、同じ予防接種を受けたものを会社が負担しても経費にはなりません。また、体調不良や身体的な問題等で予防接種を受けられない従業員が居たとしても、予防接種をする機会が平等に与えられていれば、経費に計上する要件は満たされます。
◆個人事業主の予防接種
個人事業主の場合、自分または専従者が受ける予防接種は経費にできませんが、全従業員を対象にする場合は福利厚生費として計上できます。また、予防接種はあくまでも「予防のための支出」であるため、医療費控除も適用できません。ただし、セルフメディケーション税制の対象になるケースがあります。セルフメディケーション税制は医療費控除との選択適用なので、どちらが有利になるのかを選択した方が良い場合も出てきます。
◆予防接種の消費税
社会保険医療などの社会政策的な配慮に基づくものについては非課税となるため、通常病院で診察を受けたり、薬を貰ったりするのに消費税はかかりません。しかしインフルエンザ等の予防接種は、保険適用外となっており、消費税がかかります。経費になる場合、記帳に気をつけましょう。