(後編)国税庁:2022年度滞納整理の訴訟提起状況を公表

(前編からのつづき)

 悪質な滞納事例として、滞納処分の執行を免れるため、知人に事業を引き継いだように装い、取引先に対し、知人宛の小切手を振り出させるなどして財産を隠蔽した行為について、国税徴収法違反(滞納処分免脱罪)により告発した事例が挙がっております。

 滞納法人の代表者は、知人Aが滞納法人の事業を個人事業として引き継いだように装い、取引先に対してA名義で工事代金を請求し、Aに対する売掛金の支払いとして小切手を振り出させるなどしました。
 代表者は、取引先に振り出させた小切手を銀行に持ち込んで現金化し、代表者の居所にある金庫で保管していました。
 国税当局は、これらの行為が滞納法人に対する滞納処分の執行を免れる目的でされた財産の隠ぺいに該当すると判断し、滞納法人及び代表者を国税徴収法違反(滞納処分免脱税)により告発しております。

 この「滞納処分免脱罪」の告発は、2021年度は4件(7人(社))でしたが、2022年度は増加しております。
 そのほか、国税庁では海外への財産の移転などによる国際的な滞納事案に対して、租税条約に基づく徴収共助の要請を確実に行うなど積極的に取り組んでおります。

(注意)
 上記の記載内容は、令和5年11月13日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。